*『AE目黒区からの刺客』2011年04月29日記事の再掲記事です。
詳細な数学的理解はこちらのかたの記事が詳しいです。
AfterEffects compZero『Collaps』
お待たせしました?がコラップストランスフォームを使う上での注意点を書いていきます。
コラップストランスフォームの機能
まず、おさらいですが、コラップストランスフォームはプリコンや入れ子にしたコンポレイヤーに使うものです。(別のコンポジションに入った、レイヤー扱いとなったコンポジションを「コンポレイヤー」と便宜的に呼んでます)
別のコンポに入ったコンポレイヤーは単独で計算されて2Dレイヤー扱いになります。しかし、コラップススイッチを押すとコンポレイヤーに入っているレイヤーたちの情報が復活します。
例えば
①
レイヤー1
レイヤー2
レイヤー3
レイヤー4
と並んでいるコンポで、2と3をプリコンして、
②
レイヤー1
プリコンレイヤー
レイヤー4
となった場合、プリコンレイヤーをコラップスすると、②の見易さを残しつつ、①の状態に戻してくれるということです。
メリット
で、ここからが注意点なんですが、まずメリットから紹介します。
1.コンポレイヤー内のレイヤーの3D情報が復活します。
2.コンポレイヤー内のレイヤー本来の解像度が復活します。
3.画面からはみ出た部分の情報も復活します。
デメリット&注意点
続いてデメリットとやってしまいがちな注意点です。
1.コンポレイヤーにエフェクト、描画モードを使うと、解像度は保たれますが、3D情報がコンポレイヤー中で完結したものになります(調整レイヤーを挟んだ感じになる)。描画モードは「-」となって使えなく見えますが、なにかしらのエフェクトをかければ使えるようになります。
2.コンポレイヤー内のレイヤーが3Dでなければ、コンポレイヤーの3Dスイッチを押しても2Dレイヤーと見なされ、Z移動やX,Y回転をしても動かない。これは2Dレイヤーのままプリコン、コラップスして作業を進め、時間が経ってからやっぱり3Dにしよう、というときに起こりがちです。
3.コンポレイヤー内で、調整レイヤーで全体にエフェクトをかけている場合、コンポレイヤーの下にあるレイヤーにもそのエフェクトがかかってしまう。これはコンポレイヤー内の情報が復活してしまうが故の注意点です。
4.同じくコンポレイヤー内に調整レイヤーがある場合、z位置情報に基づいたレイヤーの重なり具合ではなくなり、タイムライン上のレイヤーの順番で重なり具合が決まるようになる。これは、調整レイヤーを挟むと3D情報での重なり具合がレイヤー順に変わるというテクニックが、ここでも適応されてしまうということです。
5.コンポレイヤー内の3Dレイヤーの数が多すぎると、重なり具合がバグる。これはヒドい。
1と5以外は、「コラップスするとコンポレイヤーの中身がそのままそこにあるのと一緒のことになる」という機能を踏まえれば、なんとなく分かり、慣れてくると思います。
コラップストランスフォームはだいたいの人がAEに慣れてきてから知る機能なので、予想外の挙動に「なんかもういいや」となりがちなんですが、非常に便利でおすすめなのでぜひ使ってみて下さい。