調整レイヤーの描画モードを変えると、何が起こっているのか?

AEでソフトフォーカスを実現するには、調整レイヤーを上に置いてブラーをかけ、トーンカーブでコントラストを上げ、(場合によっては白黒にして)、描画モードをスクリーンやオーバーレイにして、不透明度で調整する、という手法があります。

元レイヤー群をプリコンして2つ重ね、上レイヤーに上記の調整レイヤーにした処理をするやり方もありますが、調整レイヤーのほうがかんたんですね。

ここでふと疑問が生じます。「調整レイヤーって下のレイヤー全部にエフェクトを掛ける機能だろ…それを不透明度で調整はギリギリわかるけど、調整レイヤー自体の描画モードを変えるって、何やってんのか?」って疑問ですね。

よくわからんなあと思いまして、色々試してみました。

行った実験

とある絵を置き、上に調整レイヤーを置いたコンポAと、同じ絵を2つ重ねたコンポBを用意します。

コンポAの調整レイヤーに適当な色エフェクトを適用、不透明度を下げ、描画モードを変えます。
コンポBの上レイヤーに、上記と全く同じ処理を加えます。

すると…全く同じ見た目になります!

実験結果

結果から見えてくるのは、

どうやら、調整レイヤーとはなんらかのエフェクトを加えた下の絵の複製そのものだと解釈していいみたいですね。
詳しく書くと『その下全ての絵をいったん1枚絵としてレンダリング、その1枚絵になんかしらのエフェクトを加えてまたレンダリングした1枚絵そのものを表すレイヤー』ですね。

そう解釈すると、色々と疑問が解決します。
調整レイヤーの不透明度を下げるとエフェクトのかかり具合が下がるのは、調整レイヤー(エフェクトを掛けた下の絵の複製)を透過させれば、その下の本来のレイヤーが見えてくるからですね。

そして、調整レイヤーの描画モードを変更するというのも、単純に調整レイヤー(エフェクトを掛けた下の絵の複製)を本来の下のレイヤーに重ねている、ということですね!

また、ちょっとしたTipsも発見しました。
調整レイヤーの描画モードは調整レイヤーに『なんらかのエフェクトがかかってさえいれば』かかります。つまり(あまり無いですが)「描画モードと不透明度だけで色や質感をちょっと調整したい」という場合には、調整レイヤーになんの調整もしてないトーンカーブや、あるいは全く無意味なスライダー制御なんかを掛ければよいだけです!

*この実験結果はあくまで推測であり、実際のAEの計算順序が上記と合っているかは定かではないです。
*また、アルファがある絵の場合、2枚重ねだとエッジがちょっと増えるというAEの仕様がありますが、調整レイヤーでは起こらないという違いがあります。

「手軽だからプリコンしないで調整レイヤーで描画モード調整してたけど、プリコンでしかできない深い色合いとかあるんかなあ…」とか思ったりしますが、プリコンと全く同じということが分かったので、安心して使えますね!


よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!